バチンッ
「「「!?」」」
俺に降りかかった剣は鈍い音を立てて俺の目の前で止まった。
火花を散らせながら、剣を受け止める光が、俺を包み込んでいる。
「(……は…?)」
今、何が起こっているのがわからなかった。
零もそうだった。
女の子だって。
男は目を見開いて、剣を引いた。
すると光は消え、重い空気が残った。
「……あなたは、何者ですか?」
俺より背が低い、女の子に「時雨」と呼ばれた男は、俺を睨み問う。
「(何者…?えっと……)」
俺は零を見るが、聞ける状態ではなかった。
「(えっと…陰陽師だっけ……?)」
俺は口に出して言った。
「俺は、陰陽師(?)です」
「ぶっ」
吹く零。
「お、陰陽師ですか」
時雨は疑いの目をしてそう、確かめた。
零は何やらビックリした表情で俺を見ていた。
「ちょ、ちょっと待て――」
「……けれど、いくら政府の協力者であっても」
時雨は零の声に被せるように言う。
「僕は、お嬢様に手を出す者は、殺します」
「っ…」
背が低いとはいえど、その力強い瞳には凄まじい程の威圧と殺気を感じた。

