「?」
首を傾げた俺。
目の前には式神を呼び出す紙。
なせか柄は皆、違っていた。
「なぁ、零」
「あ゙?」
俺に食べられた物が余程ショックだったのか、不機嫌な顔をしている零。
「なんでこれと、これと、これ、柄が違うんだよ?」
「あぁ、それはあのオカマから貰ったやつだからな」
零が指すオカマとは玄武。
玄武は自然を大切にし、動物をこよなく愛する神。
昔から玄武は大量の生き物を従えているといわれ四方神の中でも恐れられている。
関心している俺を見て零は恥ずかしそうにしている。
「どうかしたか?」
「いや、凄いなーって」
「ふんっ(当たり前だっつーの)」
そんな紙を見つめて俺は言う。
「もちろん出せるんだよな、式神を!!」
その言葉に零は笑顔で固まった。
「(凄いな…零は。俺とは全く比べ物にならないな…)」
俺はあの日のことを思い出した。
雨が降るなか、火にまみれたあの光景を。
「(兄貴………)」
俺は立ち上がった。
すると零は不思議そうに俺の顔を見た。
「どっか行くのか?」
「んー、トイレ…行ってくる」
俺は俯いたまま零に背を向け歩き出した。
「(……なんなんだよ…)」
零は思った。

