俺たち陰陽師!!!!!



零の部屋。

「つーか…」

零はクローゼットの中を見つめたまま硬直している。
なぜならそこに並ぶのは、いかにも高級そうなタキシードばかり。
だが、見慣れている零は溜め息を吐きながらタキシードを見ていた。

「全部一緒じゃねぇかよ!!!」






*******




俺の部屋。

「うーん…」

零と同じようにクローゼットの中のタキシードを眺めていた。
眩しいタキシードにやられ、くるくるとベッドに倒れ込む。

「はぁ~…」

なんとなく疲れた俺。
壁にかけられた高級そうな(まあ時計だけじゃないけど)時計は3時を表していた。

「(暇だなぁ…)」

ベッドから起き上がり、小窓を覗く。

「あ…」

下を見ればさっきの女の子。
傍にいた男は女の子を眺めて、女の子は本物と思われる剣を握っていた。

「(危ないな…)」

すると女の子は剣をぶらんと垂らし、ピクッと体を反応させ、固まった。

「(どうしたんだろ…)」

そう思ってもっと目をこらし見つめてみる。
その時。
女の子は突然顔を上げ、上を見上げた。

「(!!)」

確かに合った目。
俺は慌てて小窓から離れ、ベッドにお尻を着けた。

「(びっくりした…)」

すると次第に速くなる鼓動に気付き、胸を抑えた。

「(なんだろう、この、感覚………)」

この時、零に出逢ったときのような胸騒ぎが、俺を襲った。