―――…退屈。
いつもと変わらない教室、いつもと変わらない世界。
刺激が欲しい?ううん、そんなんじゃない。ただこの世界が色あせて見えるだけ。
濃い化粧も、やけに露出した肌も、全てあの人を思い出す。気持ち悪い。
こんなの女として終わってる?そういわれてもおかしくないかもしれない。
「きゃははは」「うっざ!!」「つーかさぁ」
はぁ、イライラする。
「大丈夫ー?顔色悪いよ。」
ううん、一番イライラするのは・・
「・・うん。大丈夫だよ」
作り笑いをつくる自分自身。
「ってかさ!今日の数学まっちゃんだよ~」
「うっそ!?最悪ー。ねぇ、円?」
河内円(かわうち まどか)それが私の名前
「ほんと最悪だね」
ははっと乾いた笑いが漏れる。疲れたなぁ・・・
キーンコーン・・というチャイムとともに、世界史の先生があわてた様子で入ってきた。
「えー今、・・数学の松林先生が・・・突然倒れたそうなので・・、今日の数学は自習ですっ・・!」
ぜえぜえいいながら話すとすぐさまどっか行ってしまった。息ぐらい整えたらいいのに・・・・・。
私はその様子を気にもせずに外をぼんやり眺めていた。