「あなた…


どこに向かって歩いていたの?」



「ナギでいい」



「ナギ」



「なんだ?」



ムダに甘い声で言われても困る。



「なんでもない」



フッと顔をそらして歩きはじめた。



ナギは後をついてくるだけだ。





本当に何を考えているのかわからない。