社長はククッと喉を鳴らして笑うと




「わかった。古都ちゃんのためにこれ以上はやめとくよ」



バシャバシャとまた岸に引き返してくれた




「ただし、泣かないんだよ?

指輪のことで自分を責めたりしたらダメだからね?」




社長は私の手を取ると指にチュッとキスを落とした



キスは余計…。




「もし泣きたくなったら俺に電話するんだよ?」





「どうしてですか(笑)?」



フッと鼻で笑って社長を見上げると




優しく目を細めて笑い



「すぐに駆け付けて古都ちゃんを抱き締めて慰めてあげたいからだよ」



って耳元で囁かれて




なぜかほんの少し…本当に微妙に心がキュンとした…様な気がした



そして




「古都ちゃん!!!!?」




涙がダーッと溢れて止まらなかった。