マグカップがおっきすぎたのか、朱鳥は
両手でそれを持つ。

離れよう。そうだ。

「・・・コップ離すぞ。」

コクンとうなずく朱鳥。

俺が手を離すと、朱鳥もマグカップから
口を離して、ハァハァと息を聞かせてい
る。

「ごめ・・・。」

「も・・・もうっ!」

涙目で、しかも上目遣いで俺を愛らしく
睨む朱鳥。

口をへの字に曲げている。




でも、潤ったその瞳に俺の理性は負けた。