「それよりさ、何でカノンが…」



まぁ、そうなるよね。



元カノが、大地に会いに来るんだもんね。



「カノンに聞いたよ。二人、付き合ってたんだね」



二人が付き合ってたなんて、あたしには全然関係ないのに…。


ないはずなのに、何で泣きそうになってんだあたし…。



確実に分かるのは、今は大門組3代目の“アタシ”じゃない。



普通の女の子としての“あたし”だってこと。



何でそうなのかは、全然わかんない。



けど、あたしはカノンと大地の関係に嫉妬してる。



理由は全然、わかんないけどね。



「大地の話してたら、カノンが大地と話したいんだって!だから連れてきた」



あたしはわざと、明るく振る舞う。