「手当てしてやれ。なぁ。何であんなとこで倒れてたんだ?しょうもない喧嘩か?」 しょうもない? 確かにしょうもないな。 「若いって、大変だなぁ」 俺はうっすら目を開けた。 この声の主は、本当に組長なのかどうかわかんねぇくらい綺麗な顔だった。 「お。目ぇ、開いたな。しっかり聞いとけよ?今から傷をつくったら、後が大変だぞ?傷だらけでわかんねぇが、結構かっこいい大人になると思う。勘だけどな」 男はそう言って笑った。