「咲!?」 俺は急いで咲に近付いた。 何回名前を呼んでも、何回体を揺すっても、愛しい声は聞こえてこない。 「咲、お願いだから…。お願いだから、俺のそばにいてくれよ…」 いつもなら、すぐ返事くれるのに…。 俺はこの後も、咲の名前を呼び続けた。 ピーポーピーポー 暫くすると、救急車のサイレンの音が響き渡った。 多分、ナツさん達がこうなることを予想して呼んでくれたんだろう。 俺は咲と一緒に救急車に乗って、病院まで行った。 その時の不安感は、今でも思い出せるほどだ。