「ふっ、なめないでくれない?こっちには、ナイフがあるの忘れないで」


そう言って、手に持っていたナイフを強く握った。


「あたしはね。ずるいと言われたって、勝つためには何でもする」


あたしは言い終わると同時に、ナイフを大門咲に向けた。


危険を察知したのかどうかはわからないけど、大門咲は素早く体勢を整えた。


そして、二人同時に走り出した。









-大地side-


俺が咲を見つけたのは、全てが終わった後だった。


「咲…?」


咲の名前を呼んでも、咲からの返事はない。