「じいさん、ばあちゃんに会いに来たよ」 インターホンを鳴らし、出たじいさんにそう言った。 「咲か。…何かあったのか?」 「別に、何も…。ばあちゃんに会いたくなっただけだ。悪いか?」 じいさんごめん。 あたしだって素直に、じいさんに甘えたいよ。 だってあなたは、あたしのじいちゃんだもん。 「そうか。…梅も喜ぶよ」 梅っていうのは、ばあちゃんの名前。 「喜んで、くれてたらいいんだけどね」 あたしはばあちゃんの仏壇の前に座り、久しぶりに話し掛けた。