「あーあ、もう絶対アイリのロッカーは開けん」
最後にガチャンと扉を閉めて、颯人が背伸びをした。
もう行っちゃう、かな。
「谷森さんいっつも教室おるよね、何で?」
「え?」
気づかれていた。
もしかしたら、見てることにも気づいてたりして……。
「いや、たまに見えるとって。テニスコートからも部室からもこの教室一番見えやすいと。
そんでたまに谷森さんがぼーっとしとうの見えるけん、何しよるとかいなって気になっとったっちゃん」
そりゃそうだ。
教室から見える場所は向こうからも見える。
何でそんなことを今まで忘れていたのか。

