ポチタマ事件簿① ― 都会のツバメ ―



「……あれ? これはなんだろう」
 テレビを見つめていたポチがつぶやいた。
「ン? どれ?」
 テレビには最上階のエレベーター前の映像が流れている。
 ポチはコマ送りにした。
「これだよ、これ。――なんだと思う?」
「あっ!」
 コマ送りの映像、画面のわずかな隅を、黒っぽいモノがかすめた。
 ほんの一瞬、屋上階段の入口のところだ。
ポチはうなる。
「う~ん、なんだろう……?」
 タマは答えずに、しばらく画面を凝視していた。
 そして、急に笑いだす。
「あはは、わかったわ」
「なに? ただのノイズとか、虫とか?」
「ブブ~。ザンネーン!」
「じゃあ、なんだよ?」
「正解は、なんと『鈴木さん』デシター。ジャジャ~ン!」
 タマはクイズ番組の司会者のような口調で言った。
「えっ!?」
「だって、カメラのノイズなら、画面全体がぶわ~って乱れるか、ざざ~って横線が出るとかでしょ。これは隅っこだけよ」
「う~ん、それもそうか。――虫の可能性もなさそうだな」