ポチタマ事件簿① ― 都会のツバメ ―


 ここで映像が終わった。
「あれ? おしまい?」
 タマは両手をバタバタと振りながら言った。
 空振りした期待感を表現しているようだ。
「――このあと、鈴木氏の姿はどこにも映ってないんだ」
「ン? なんで?」
「なんででも。敢えて言えば『謎』かな」
「ン~? あ、死角?」
 タマはにやりと笑った。
 ミステリー好きにはたまらないキーワードの一つである。
「リモコン貸してっ」
 タマは言うが早いか、ポチの手からリモコンを奪った。
 テレビにはいくつかの防犯カメラの映像が早送りで映し出される。
 タマは、全ての映像を一通り見終わると、映像をいくつか絞り込んで繰り返し再生した。
 リモコンを操作する手の他はピクリとも身動きをせず、映像を凝視している。
 ミステリーマニアの血が騒いだのだろう。
 その姿は獲物を狙う猛獣のようだ――とはポチは決して口に出さない。
 猛獣の反撃が怖いからだ。
 その猛獣がピクっと反応する。
「ン! ポチ!」
「えっ、な、な、なに?」