「――警察の聞き込みでは、この時間帯に来客のあった人はいなかったそうだ」
「ン~、宅配便は?」
「宅配便? 他の時間には映ってるけど……」
「ううん。六時頃に宅配便の来なかったウチはなかった?」
「はぁ?」
「鈴木さん、宅配便のふりをしてオートロックを開けさせたのよ」
「カメラつきインターフォンだぜ? 服装でバレるって」
「ここのマンションって割と古いでしょ? カメラはまだモノクロとか」
「確かにモノクロだけど。……そうか! このシャツなら間違えるかも」
鈴木の着ているシャツは、色こそ違うが、大手宅配便業者の制服と似ていた。
似てると言っても、並べて見ればすぐに別物だと分かるくらいだが。
しかし、インターフォンで「お届け物です」とでも言われれば、先入観――宅配便業者だと思い込んで、シャツの違いにはまず気付かないだろう。
ポチは腕を組んだ。
「う~ん、でもインターフォンを受けた人も、宅配便が来なかったら不審に思うだろうに……」
なぜそういう証言が出なかったのだろうか。



