ヤンキー先輩はごそごそと通学鞄を漁って、中から筒状の物を取り出した。
これって……。
「ん。これやる」
「マーブルチョコ? 先輩が買ったの?」
「さっきコンビニでな。お前こういう駄菓子系も好きって言ってただろ。これ食って元気だせ」
そう言って、飼い犬にするようにわたしの頭を撫でる先輩にきゅんとした。
ああ、だめだ。
悩んだって、自分を責めたって、どうしたってヤンキー先輩が好きだ。
シートに置かれたヤンキー先輩の左手を見た。
昨日この手で、彼女の手を握っていたんだな。
なんて、こんなこと考える自分がちょっと怖い。
それでもやっぱり、先輩が好き。
「ありがと、先輩。元気でた!」
好きで好きで、好きすぎて。
どうにかなってしまいそうだと思った。


