昼休み。

深々とため息をつきながら購買への廊下を歩いていると、自販機の前に見覚えのある背中を見つけて一気に暗い気持ちが吹き飛んだ。


ヤンキー先輩だ! 昼休みも会えるなんてラッキー!




「ヤンキーせんぱーい!」


「ぶっ!」


「ぎゃっ」



わたしは小走りで近づいて、せっかくだから脅かしちゃえと、先輩の背中をドーンと強く押した。

そしてほぼ同時に聞こえてきた2つの声に固まる。



「あ、あれ? ヤンキー先輩?」



おそるおそる、背中から前の方にそっと移動すると、


口元から液体をぽたぽた零している彼。

右手にはジュースの紙コップ。


サーッと血の気が引いた。