気づけば去っていく先輩たちを呼びとめていた。
「あ、あの! もう帰っちゃいますか?」
「そのつもりだけど。どうかしたか?」
「その……もし、もし良ければなんですけど、待っててもらえませんか? 作ったティラミス、持っていきますから」
「ウザミのことなら気にしなくていいんだぞ」
「ひどいって藤」
意味ありげに笑う宇佐美先輩に見られて、顔が熱くなる。
たぶん宇佐美先輩は、わたしの気持ちに気づいてるんだ。
恥ずかしいけど、なんか気まずいけど、バレてるならもうしょうがない。
「ちょっとアレだったけど、宇佐美先輩は私をかばってくれたし。お礼に、できれば今日食べてもらいたいなと思って。……だめですか?」
「全然ダメじゃないよー。じゃあ遠慮なく、待たせてもらおっかな。駅前のマックでもいい?」
「はい! よかった、持って行きますね!」


