「麻美とは別れた」 「え……? わ、別れたって」 「頭下げて頼みこんだ。やっぱ泣いたけど、嫌だとはもう言わなかったよ」 ずっとヤンキー先輩の手を放さなかった麻美さんが。 受け入れたの? 失恋の痛みを。 「あいつと別れてからさっきまで、この本読んでた」 「……全部?」 「全部」 状況に追いつけていなかった感情があふれ出してくる。 みるみるうちに熱くなる頬。 ぐにゃりと歪む視界。 その中で、ヤンキー先輩が腕を広げたのがわかった。 「抱きしめていいか」