おやすみ、先輩。また明日


子どものいたずらを見つけた時のような、困ったような慈しむような、

そんな目を向けられて、わたしは何も言えずにそっと視線を下に向けた。


でもガサガサと音がしたあと、そのレシピ本がわたしの前に差し出されて。


あきらめるしかなくなった。




「これ、お前だろう?」





【恋が叶う魔法のレシピ】




その表紙には、水玉模様のエプロンを身に付けたセーラー服の女子高生が、

ザッハトルテの乗ったお皿を持って立っていた。


顔は口元までしか写ってない。

セーラー服もよくあるスタンダードなタイプ。


それでもわたしだと……?




「この水玉、お前が部活でつけてるやつだ。少し写ってる髪もくるくるだしな」



もう、ごまかしようがない。


表紙は確かに見る人が見れば、わたしだと気付くかもしれないし。


そして。

表紙はともかく、中身はすべて、ヤンキー先輩に食べてもらったものたちなんだから。