「運転しなくても、交通事故とかあるし!」
「不吉なこと言うんじゃねぇよ。……くるくる、右手出せ」
「え? なに?」
言われて反射的に出した右手に、かさりと乾いた感触が乗った。
ピンク色の小さな紙の包みには、おみくじの文字が。
「これって……」
開いてみると、出てきたのは“大吉”の文字。
それから金色のかわいい今年の干支の板。
「お前のぶんと思って引いたら大吉だったんだよ。記念に見せようと思って持って帰ってきた」
「ヤンキー先輩……」
「でもその大吉の札はやっぱ神社に戻して結んだ方がいいみたいだな。
だからその干支のやつだけ持っとけよ」
そう言って大吉の札を取ろうとした先輩の手を、わたしはそっと止める。
そしてきゅっと、大事に握った。


