「ああ……気にすんな、ばか」
柔らかく笑った先輩が、わたしの頭にこつんと軽く、拳を当てる。
ついでとばかりに髪をぐしゃぐしゃにされて、くすぐったくて嬉しくて、
新学期早々幸せな気分にしてもらっちゃった。
「へへ。でも熊本で、ヤンキー先輩のこと、神さまに祈願してきたから!」
「へえ。祈願て何を」
「はい、これお守り~」
「……交通安全? 俺免許持ってねぇけど。
おまえここは普通、学業成就とか、健康祈願じゃね?」
おかしそうに笑われたけど、わたしだってけっこう悩んでお守り選んだのにー。
学業って、ヤンキー先輩そんなに気にしてそうじゃないし、受験生でもまだないし。
健康って、ヤンキー先輩は健康そのものって感じだし。
商売繁盛も変かなと思って、交通安全になったんだよね。


