「なんでお前らが……」
なんでって、ヤンキー先輩が聞いてる。
説明して誤解を解かないと。
でもわたしはどんな言いわけを、ヤンキー先輩の彼女の前でしなきゃならないのかな。
泣きそうになったわたしの頭を、宇佐美先輩がぎゅうと強く抱き寄せてくる。
心配するなとでも言うように。
苦しい。
でも、頼もしい。
「藤には関係ないでしょ。じゃ、お互いデートの邪魔だしこれで。またね、藤」
「宇佐美!」
ヤンキー先輩の怒鳴り声が響いたけど、宇佐美先輩は聞こえていないかのように、わたしの手を引いて人ごみに紛れる。
一瞬、顔だけ振り返ってしまったわたしの目に、
立ちつくすヤンキー先輩が捨てられた小犬のように映って苦しかった。


