いや、本当はわたしが1人になりたいんだ。
でもそれだけじゃない。
逃げるというより、これはわたしからの挑戦状みたいなもので。
ひとりで料理を考えて作るていうのが、どれだけ大変なことなのか、そしてどれだけ楽しいことなのかを山中さんに知ってほしい。
そしてその料理を、誰かに食べてもらって、美味しいって言ってもらえた時の喜びも。
部長と神林先生がいなくなると、それまでずっと黙っていた山中さんがわたしを睨んで言った。
「勝手だよね。うるさい私がいない方が、あのヤンキーみたいな先輩に好きな物作れるからでしょ!?
信じらんない。男に媚び売る為に部活を利用するなんて」
須賀ちゃんが何か言おうとしたけど、わたしは前に出てそれを制した。
こんな風に言われることくらい、覚悟していたから大丈夫。
真っ直ぐに、山中さんを見返す。


