自分で自分の首を絞める発言に絶句しながらも、彼女を繋ぎとめられると言う事実に内心歓喜していた。

春の日溜まりのような穏やかな笑みを浮かべた彼女は、姿勢を正し俺に土下座した。

思わずベッドに預けていた背を離す俺に、彼女は冷たい声で呟いたんだ。

 「…よろしくお願いします」

 その他人行儀な呟きに、これからは他人として暮らすことの重みに今更ながら胸が締め付けられた。

 「…よろしく」

 こうして、不可思議かつ曖昧な俺達のルームシェアが始まったんだ。