「この間…ぶりだね」


苦笑いの美鈴


「……固すぎ、もう前みたいにはならないから安心しなよ」


その言葉に少し緊張を解く。


昨夜、琉来さんとそらさんと佐原さんと七子に釘を刺された。


そして、朝には一君が…。


“「近くに居るけど何かされそうだったら逃げな」”


私の為に休んじゃうし…。


「…ぃ……れい!?美玲!?」


肩を揺すられた。


触られた所がゾワゾワっとした。


やっぱり気は抜かずにいよう


「…何?」


「何って…悪かったな美玲の人生めちゃめちゃにしてさ…」


めちゃめちゃって…


「今、幸せだからいいよ…気にしないで。アラちゃんもパパになるんだからしっかりしなきゃ」


「…美玲は俺とやり直す気はないのか?」


ちょっと待って…アラちゃん何言ってるの?


「まだ、美玲は俺に未練有るんだろう?」


「な…に言ってるの?」


「あいつの声…似てたな」


気付かれた。


でも、最初だけ…


「似てないわ。
あの人は、あらちゃんとはどこも似てない」


アラちゃんの目を見て言った。


そしたら“ブツブツ”と言い出した。


「???アラちゃん?聞こえない」


「ぉやの……た……似てた………美玲、俺とやり直そう?」


突然両腕を掴まれ逃げられなくなってしまった。


「近くにアイツ来てるだろ?」


バレて…


「美玲が忘れられない。美玲は俺のすべてなんだ。あの時、美玲がしゃしゃり出なきゃ俺達今頃結婚して幸せな生活送ってたのに…な?俺の事好きだろう?」


怖い…声が出せない…。



怖い。目の前にいるのはアラちゃんだけど、アラちゃんじゃない。


一君助けて…。








「それ以上美玲に触らないでくれないか?」


一君がアラちゃんの両腕をひねりあげた。


「いっって!!何すんだてめぇ~」


「君、薬やってるね?君の事は調べたよ。
このまま美玲から手を引いてくれたら警察やマスコミに言わないでおくよ。
でも、その手離さないんだったらボタン一つで知り合いの警察庁長官に繋ぐ」


自分で片を付けようと今日来たのに結局一君に助けられた。


「美玲は俺のだ!お前なんかに渡すくらいなら2人で死んでやる!」


昔の事がフラッシュバックした。


「束縛しちゃいけなくはないけど、やり過ぎもどうかと思う」


一君…逃げて…!


「うるせー!!」


胸ポケットからナイフが出てきた…





あらちゃん変わらないのね…。






「この間、子供が出きたって言ってたあらちゃんはチャント父親の顔してたのに…」


「うるさいうるさいうるさい!ガキなんか産まれな“ガシャーンッ”


あらちゃんが吹き飛んだ。