「やっぱり美玲の寝顔見てると和む」


「悪趣味でしょ?」


「佐原さんは七子の事心配で来たんですか?」


「永峰から聞いたんですね」


「七子側の気持ちだけですけど」


「……同じだといいんだけど」


始めて敬語じゃない話し方で話された。


「七子は女王様気質だけど、佐原さんにはチャント女の子ですね!」


「はははっ…本人そっちのけでそんな事言っていいの?」


何もかも初めてな佐原さんの仕草


「七子には幸せになって欲しいんで…幸せにしてくれますか?」


「します。今回の事で手離した事を後悔した。
だから一生大事にする。鞍橋君に誓って」


イヤンッキュンってした。


佐原さんなら七子を手放しで預けられる


「宜しくお願いします」


七子は佐原さんが連れて帰って暫く休暇を取るとの事


「美玲は婚約者の前で他の男にキュンってなるのか…」


ヤバい!存在を忘れていた。


「違っ!七子の事で頭いっぱいで…七子には本当に幸せになって欲しかったの…まぁ、佐原さんの素にビックリしたけど」


苦し紛れだったかな?


「今回はそう言う事にしとくよ。俺も太一が美玲に素を出すとは思わなかったしね…。
でも、本当に今回だけだからね」


念をおされた。



そして私は当初予定にあったとパーティーへ






一難去ってまた一難



私は人を不幸にする天才なのかもと改めて思った。







「副社長、今日はどう「今日は“鞍橋君”じゃなくて“美玲”でいいよ。婚約者として紹介しに行くから」


一君は本当に私を婚約者として思ってる。


嫌だとかじゃなく、企業のTOPの人間って自分に見合った地位の言わば上流階級の人間と結婚するんじゃないの?


マイコさんが見合い相手を紹介しに来た時も頭取の…。


一君のお父さんは知ってるのかな?


「緊張してる?」


「……」


「美玲?」


「今更なんだけど…私が婚約者で一君は本当に幸せ?」


「…美玲?今更怖くなった?」


「色んな事あるでしょ?庶民にはわからない地位が高い人達の何かが?
一君が笑われるの私、耐えられないけど他の女性が一君の婚約者だなんてもっとやだ!」


「うん。地位や名誉がある人間は恋愛しちゃいけない?
好きな人と結婚しちゃいけない?
お見合い結婚しなきゃいけない?
政略結婚しなきゃいけない?」


悲しそうな顔を…。