「幼少の頃…まだ八代住建が知られて無い頃。
名前を売るに両親は必死で何でもした。
イタイケな俺は地位や名誉のあるお姉さま方に玩具にされてこんな様……」


マイコさん…何で私なんかに身の上話を


「人それぞれに言いたくない事あるんだろうけど、俺はコンプレックスにしたくないし、むしろ感謝だろ?」


感謝?ナンデ?


「俺を貫いてる!」


仰け反りながらはっきりと言い放った。


「…」


「そんな過去を抱えてたら寧ろ逆だろ?女嫌いになる
元々そっちのけが有ったみたいだが、出せないで居た
大学で一を佐原を見て…堂々とした姿勢が俺を押した
何にも恐れなくて良い…アイツは器がデカい!」


“アソコもな”


帰り際にとんでもないことを言い帰って行った。




一方的に自分の事を話して帰って行ったマイコさん。


私は…



「過去を一君に話して受け入れられなかったら?」


深い深いため息をついた。



誰もが七子みたいに理解力を身につけていない。


しかも異性で恋人で婚約者…どんなに器が大きくてもあの惨劇は受け止められない。



「鞍橋さん?」


佐原さんが居た。


ぼーっとしてた。


「あっ…すいません、今戻ります」


「鞍橋さんを副社長の御世話役にしたのは失敗でしたね」


苦笑いする佐原さん


「申し訳ありません…前の部署に「もっと仕事しなくなります」


「佐原さんは人に言えない事ありますか?」


「あります。しこたま」


「……」


「七子は知ってるんですか?貴女の闇」


闇…そうだね


「七子は私を軽蔑しないで今まで来てくれた親友です」


ありがたい


「一寿は貴女が思ってる以上に貴女を愛してますよ。信じて向き合って本当の貴女を愛してもらって下さい」


体の傷を見ても何も言わなかった


秘書課に戻り今日の職務を終わらせ副社長室へ


「副社長「鞍橋君、明日のパーティーの事だが、今日はマイコと私用が…これ、カードキーだ、部屋にドレスや小物を発注しておいた。
帰りは遅いが寝て待っていてくれないか?」


覚悟を決めて打ち明けなくちゃ…嫌われるのは結構痛いけど、前に進まなくちゃ行けない。



「一君…帰ってきたら起こして、話が有って…」



「別れ話とかは聞かないよ」


「違うよ」


アナタガワタシヲステルカモ





決心が鈍りそう





貴方の笑顔が見れなくなるかも