虹になる日がきたら



暫くして両親が勢いよく部屋に入ってきた。



「…」
「…」


心配してる両親


そんな顔しないで


「ご…ごめ……」


私が悪いのに涙が…


「美玲達は何も間違ってない」


「柊斗はナイトだったからな…」


頭をポンと手を置かれた。


「信号無視の車がぶつかってきた」


副社長…。


「一寿、悪かったな…今日はこのまま連れて帰る」


「はい」


「顔色が悪いな…チャント食べてるのか?」


「毎朝美玲の飯食ってる」


「「!?」はははっ……悪いな…今度食いに来い」


「うん」


何で?誰も私をせめない……。


「何で……私が…もう少し……周りを見てたら……何で?誰も私をせめないの?」


「言っただろ?美玲は間違ってないって」


「でも「誰が悪いって決めて欲しいんなら俺が悪い」


「一寿!」


「NYに発つ前に柊斗に会っておきたかったんだ…
だから美玲は何も悪くないから」



「一寿のせいでもないよ」



「ははっ、2人とも優しいから甘えちゃってたんだ…自分を正当化して思い出さないように……
でも結局は夢に出て来たりして押し戻されて……
そんな俺は人並みな生活を送っちゃダメなんだ…
後悔先に立たずってね…悔やんでも柊斗は帰って来ないのに」


それで玄関で、寝てるの?



「こんなんじゃラチがあかねー、いったん話は終わりだ。
一寿、仕事終わったら家に来い」



家に帰された私は初めて柊兄の仏壇を見た。


記憶に残ってる柊兄と変わらない……優しくて格好いい自慢のお兄ちゃん。


「……っ……ぅ……っぅう…ごめ……ん…ね…」


副社長が来るまで仏壇の前で謝っていた。



「美玲?」


一君……


「……大きくなったね」


苦笑いする一君に昔の面影を見た。


「ぅう…」


涙は何度流しても枯れないもので一君の顔を見た瞬間に又、溢れてきた。


「私が…何もかも忘れてたから…副社「一寿だよ…昔みたいに一君って呼んで?今は会社じゃないんだから…
ごめんね?美玲に俺の事を思い出して欲しいって思った…でも、その反面“柊斗”の事を思い出しちゃうとって思ってはっきり言えなかった。
1人で悪循環と戦ってたよ……」


こんな副社長…もとい、一君は初めてだった。



会社じゃ魅せない素の笑顔に喋り方…昔に戻った感じ。