「それでね?柊斗の墓参りがどうのこうのって…柊斗って美玲のお兄さんだよね?
今、海外に転勤だって…
ふざけてるような会話じゃなかったと思うよ?
」
柊兄の墓参り?
副社長の昔話の“親友の死”
もしかして……。
その時だった。
キキキキキーッガシャーッ
お店の前の道路で車と車がぶつかった。
「うわぁ~派手にやったね…」
その時は車対車だと思ってた。
でも……
「子供が巻き添え喰らってる!大至急救急車を」
子供…交通事故…頭が痛い。
「ちょっと…美玲?」
なんか……変…
頭割れそう…。
「柊兄、どっか行くの?」
「あぁ…うん。一君の見送りに」
「どこか行っちゃうの?」
「元々、住む世界が違うからね…美玲は一君の事好きなのか?」
「////私に笑ってくれたから…」
その頃、私はちょっとした男女差別にあっていた。
「お兄ちゃんヤキモチ…美玲もお見送り行く?」
「いいの?」
「一君ならOKだね」
部屋に戻り髪を結い上げて、一番の可愛い服を着て家を出た。
「美玲が兄離れする」
「柊兄好きだよ。でも、彼女居るじゃん!
兄妹だし、皆に馬鹿にされた…」
「美玲を?……馬鹿に?
ソイツに今度こう言ってやれ“羨ましいの?”
可愛い美玲に惚れる奴は一君以外廃除だな」
前までは柊兄のお嫁さんが夢だったのに無知過ぎな私は恥をかいた。
ショックも受けた。
その大好きな柊兄が私の目の前で宙を舞った。
私は柊兄に押し戻されて頭を強く打って意識を
失った。
あまりにも急な出来事だったから全てがスローモーションの様に見えた。
景色の中で柊兄が笑顔だったのだけは覚えてた…。
頭を打ってか…自分の防衛なのか記憶が消えていた。
“ワタシガシュウニイヲコロシタ”
「思い……出…した。
柊兄は…私が……」
頭が割れそうに痛くて店の中でうずくまってしまい、七子が佐原さんに連絡を取って迎えにきた。
「美玲?」
心配する七子

