虹になる日がきたら



「副社長は私の事好きなんですか?」



直球だったわけで、副社長がビックリしている。


おちょくられてただけかもと前言を撤回したくなった。


「…申し訳ありません!大それた事「好きでもない人を毎日襲ったりはしないでしょう」



寝ぼけていたわけじゃなかったのか…。



「昔から僕達は運命共同体だろ?」



う…運命共同体?


「どう言った意味でしょうか?」


「それも思い出してくれたら……嬉しいな」


「////」


スッゴく優しい顔になってドキッとして、ヤバイよ目が合わせられない。



「昔、家も家族も肩書きも生きてる事さえも嫌になった時がありました…。
道を反れて悪い仲間と遊んで毎日、殴り合いの喧嘩してて…
そこで、初めて親友って呼べる奴と出逢ってこの道に帰って来れた…
でも、その代償が親友の“死”だった」



副社長の昔話は私には衝撃的で、でま何故か人事じゃない感情が胸にこみ上げて仕事中にも関わらず涙が溢れてしまった。



「美玲、思い出してくれ…全部俺が悪い。全部俺が受け止めてやる。
憎まれても構わない。
でも、居なかった事にはしないでくれ俺も………あいつも……」




副社長?




泣いてる?






「副社長、鞍橋さんを泣かさないで仕事して下さい」



佐原さんが入ってきた。



あっ!佐原さんに頼まれた仕事が山のように有るんだ。








「はぁぁ」



副社長のクルクルと様変わりする顔が頭から離れないし、何で私、あの話で泣いたの?



そんな時、七子から内線が入ってきた。



「美玲、お昼ランチ行こうね!」



七子は課長と別れたとこの間聞いた。


又、何もしてあげられなくて申し訳ない。






「…でね~……」



強がりな分、誰かが七子をみていてほしいんだけど。




「……ちょっとぉ!聞いてるの?」



「えっ!あっ~ごめん」


「だからね~この前、合コン誘われて行った場所に副社長と美玲のパパが居たの!」


パパと副社長?



そう言えばママの事知ってたけど?



何で?