「太一、本社が景気の悪い時があった時にそらの婚約と自信喪失で道を反れた事があったんだ」
帰りの飛行機でいきなり話し出した。
「今までとわ違った仲間とつるんで喧嘩ばかりしてた…そんなある日柊斗と逢ったんだ。
散々喧嘩してた挙げ句に友達になった。
ある日、柊斗が妹と約束があるからって家に帰るのをキッカケに“家族”の在り方や暖かさを知って羨ましかった。
柊斗は人の心が悟れるみたいな感じでな、良く家に呼んでくれて夕飯まで食わせてくれた…美玲とは妹の名前で…虹さん似の美人さんだ。
そして、親父からNY支社に飛ばされた日に柊斗は死んだ……美玲と俺を見送りたいと空港に向かってる最中に車に接触して…
それを知ったのが一週間後だった。
落ち着かないNYで柊と美玲の声が聞きたくて電話したら晴斗さんが出て…。
ショックがデカすぎて1ヶ月間の記憶があまりないんだ…。
酒浸りになって、手元にいる秘書で性欲満たして、金で単位取ってさ
そんな俺を知ってか知らずか晴斗さんがNYに仕事がてら俺に会いに来たんだ。
ぶんなぐられたよ…3日説教されてさ
“お前”は何をしにココに来たんだよ?
俺なんかより晴斗さんや虹さんの方がよっぽど柊斗の“死”を受け入れてて、なんか情けなさすぎてみっともないくらい泣いたんだよ
こんなんじゃ、柊斗の墓場に顔出せないと思って…
晴斗さんに“自分がある程度マシになったら墓参り行きます”って
姉貴に恩返ししてやっと高原ベンチャーの跡取りとして前に進めそうだから…3回忌の今日初めて柊斗の墓場に顔を出せた。
私生活はまだまだだけど」
高原一寿と言う人間は俺から見たら結構できた人間だった。
墓の前で、一寿が
「柊、久しぶり…やっと前に進めそうな気がしたから会いに来た」
それ以上は話さなかった。
そして、立ち上がって深く頭を下げたら
「佐原、帰ろう」
太「はっ?」
晴「これから飯食いに居かね~か?」
「柊に約束したから…まだまだやらなきゃいけない事があるんです。
しっかりしないと、皆の生活がかかってるから…食事は又」
「根詰めるなよ?」
「体が資本だからね」
「ありがとう」
「当たり前だろ?柊斗と同じくらい息子の様に思ってるんだからな一寿」
一寿はビックリしていた。
それは一瞬だったけど、直ぐに優しい顔になった。
「美玲に宜しく、本社に帰って来れたら美玲に秘書になってもらうから」
「佐原さんが居るでしょうが?」
「佐原はいつか実家継がなきゃいけないから…手放したくないけど」
「それまで美玲を立派に育てなきゃな(笑)」
「はははっ宜しく。じゃぁね2人とも」
「おぅ、たまには連絡しろ!メールでも良いからよ…佐原さん、一寿の事宜しくお願いします」
「はい」
そしてNY支社に戻った。