虹になる日がきたら



「友人に会って話したい事がありまして。無理なら又でいいです」


電話じゃダメなのか?


リストにそんなに親しい友達が居たなんて書いてなかったけど。


「調整します…但、近くに必ず私が居ますので」



「はい。居て下さい」


おかしな奴


その日から始まった高原一寿との生活


「この中から1人選んで下さい」


俺だってご無沙汰なのにお前はスウィートで甘い夜過ごすのかよ。


ムカついたから精力減退剤をお茶に混ぜて飲ましたら効きすぎて数日後病院に搬送された。



そしてバレていた。



まぁ、クビになるんなら全部ぶちまけちゃえ 



「……」



スッキリしたよ。



「引き継ぎ「申し訳ありませんでした」



頭を下げられた。



「俺が…俺が不甲斐ないばっかりにあんたの会社も、あんたたちのプライドも、姉の未来もアイツの未来も暗くしてしまった。償いの仕方すらわからない俺は贅沢なんかしない。だから、あんたは辞めないでくれ…」



自分の身が危ぶまれたのにまだ、俺を雇うのか。



「お前馬鹿だろ?」


ヤベッ…つい本音が。


「そうかもしれないな…」


苦笑いばかりだな。


「お前変わり者だな…すまなかった。俺でいいならこれからも宜しくお願いします」



これが“高原一寿”と初めて交わした会話だった。





数日が過ぎて毎日あることで悩まされてる俺。



「ベッドで寝ろって言ったじゃねーかよ!」



収納スペースよりましか。



「社長!玄関先で寝ないで下さい」


パチッと起きた。


「今日は寝起きがいいですね。支度して空港行きますよ」


キビキビと支度し始めた。


そんな行動が変で


「どうした?」


「なにがですか?」


猫っかぶりがぬけてねぇぞ?


「今日は日本に帰れるんだから素でいろよ?」



「佐原さんって姉に習ったんですよね?秘書を?類喜君とも逢いました?」


「まぁ、類喜とは友達」


「合いそうですもんね2人共」


笑ったけど



「もうちょっとマシな笑い方あるだろ?」



笑えてない



「良い方でしょ?僕の事も心配してくれるんです。そんな人を悲しませちゃバチが当たる。それに、姉には恩があるから返さないと」


この姉弟…前から違和感が有った。


「高原さんの事嫌いなのか?」


「聞いたことないですか?僕らは腹違いの姉弟で不倫して出来た子が僕でそらの母親は家から出て行った……必然的に嫌われてるのは僕






でも、幼少の時そらに助けられて恩が有るんだよ!あの時は嬉しかった」



穏やかな顔の一寿に安心した。



「姉弟揃って……」


類喜は知ってたのか?