「そらっ…俺はそんな結婚認めたくない!そんな結婚で幸せになれんのかよ…俺のプロポーズの返事は?振るならチャント振ってからいけよ…幸せそうな顔しろよ?“私は今、幸せ”って言えよ…」



会社には似つかわしくない格好だな



あっ、俺あの人知ってる。



小説家の竹岡類喜だ。



有名な脚本家、上河内匡哉の息子


でもなんでコック姿?違うなバーテン?ギャルソ?


あっ!キスした。


「あっ…」


“バチーンッ”


平手打ち



「…幸せよ、とっても…類喜も知ってるでしょウチの会社に欠かせない会社の子息だって事」



キッと竹岡類喜を涙目で睨んだ。



それは逆効果のような…あっ微笑んでるよ竹岡類喜



金融会社の跡取りで、結構オッサンでココだけの話性癖が良くない。


もたもたしてらんねーや



「痴話喧嘩中すみませんが、仕事しましょ!」


この男と話しもあるしね?









「そらが俺たち以外に素を見せるなんて驚いたな……」


「素…ですか?まぁ、同い年だし?男として意識されてないし」



「意識されたいの?」


獲物を刈る狼みたいだ。



「美人だよね高原さんって」


「はぁぁぁ…いっそのこと…君なら諦めが付いたかもしれない。知ってるんだろ?松嶋金融って」


「金融界のドンの子息で……性癖が良くないって事とオッサンだって事位」


「チャントそらを見てくれるなら諦めもつくよ…でも、あの男はそらをフィギュアにしたくて今回の商談を承諾したんだ。気持ちが悪い」



フィギュア…



「そらは動くからいいんだ!あのツンデレが堪らないな…」


「竹岡さんも変わってるって言われない?」


「何!?俺変わってるのか?そらのほうが変わってるじゃないか。俺はまともだ!」


どや顔されても。


「あぁ、まだ自己紹介が未だだったな。俺「知ってる、竹岡類喜でしょ」


「何で!」


「俺、あんたの小説気に入ってて。″時と想い″好きですね」


「ミステリーしか興味がなかったからあれは駄作だと思ってたけどね」


初めて恋愛をテーマに書いたという。


「ノンフィクションでしょ?」


「はははっ、さっきの見られてたなら誰だって解るだろ?そらは俺の大切な人の内の1人だから」


「あっ、俺は佐原太一。同い年で一寿様の秘書になる予定で」


「うん。そらから聞いた!一は結構人に甘く自分に厳しいから無茶しないように見ててあげて?」


「一寿様と親しかったんですか?」


「そらも一も変わった姉弟だから相談役だったの俺」


「そうなんだ…尚更早く向こうに行かなきゃだから…料理教えて下さい」