柊に聞いてもらいすっきりした俺は会社に戻り親父に頭を下げた。
「NY支店に行ってこい。そこで学んで来い」
「はい」
出発は来月、って言っても今は月末だから2週間しかない。
「おめでとう一君。一君なら出来るよ!根拠はねえけど」
「おぅ」
「柊兄~、ママがジュース持っていけって」
「ありがとう美玲」
「うんっ♪」
俺に視線を向けた美玲は赤面した。
「……あっ、ご馳走様」
頭を下げた。
「////」
逃げていった。
「兄ちゃんショックだね」
「何が?」
「兄ちゃんだけの美玲だったのに」
「えっ!えっ!えっ~!?」
「でもダメ~」
はははっ。
そして、出発の日
「見送りに行くって行ってたのにアイツ寝坊か?……まぁ、最後じゃないからな」
いつでも帰ってこれるし、ダチだし。
それが……あんな事になってたなんて
それを知ったのは全部事が終わった後で、柊のケータイにかけ晴斗さんが出て知らされた。
美玲と俺の見送りに来る途中の出来事だった。