虹になる日がきたら



後もう一押しかな?



っと思った時


頭がクラ~っとして一旦は堪えたけど倒れてしまった。



早く起きあがらなきゃなんて思っていても体は言う事聞いてくれない。



この話は終わったな


救急車で運ばれ病院へ運ばれた。





「一寿様」


内海が覗き込むようにして僕を呼んでいた。


「…内海?」


「坊ちゃま…良かった…」


久々に聞いた内海の“坊ちゃま”


ある時から呼ばなくなり突き放された感があった。


「内海」


「はい?」



「僕、家出しようかな?って」



「何百人…何千人っていう社員を見殺しにするんですか?」



「今回の仕事ダメだったらって考えてた」



「そら様、大学卒業後にご結婚されるそうですよ。会社の為に……ご自分の思いを押し潰して、好きでもない男性と死ぬまで」


そらは姉の名前

 
大学卒業後って後2年…。



「良いんですか?ココで諦めたら皆が悲しみます」



はっきり言って社員なんかどうでもいい。



姉が会社の為に犠牲になる事は避けたい


「ダメ!」


内海は優しく笑った。


「それと、契約は旦那様が引き継ぎして結びつけました。よく頑張りましたね坊ちゃま」


内海に誉められたら涙が流れた。








「私共の管理不足申し訳有りません」











熱で朦朧とする中、内海の声が聞こえたのが最後だった。



「退院おめでとうございます一寿様」



2日間高熱と戦い3日後に退院した僕に残酷な報告が2つ有った。



「そら様がご婚約なされました」


話を破棄すれば会社に影響が出てしまう。


「お前の馬鹿げた芝居のせいでウチは倒産だ」


内容で判断した訳じゃなかったらしい。


初めから出来レースだったんだと知って僕は自分が如何に甘えた生活をしてたんだと他人から知らしめられた。


情けない。



自分の甘さが皆の人生を狂わせたと言われ、初めて非行に走った。





酒、タバコ、女、夜遊び






何もかも嫌になって逃げ出した。



金があるから女がホイホイ釣れて快楽な毎日を送ってた。



そんなある日



「いい身分だね」



廊下を行き違いになるときに姉に言われた。


「あんたはもっと頭の良い奴だって思ってたのに幻滅した。たまには逃げ出したい時はあるけど……弟の為に婚約したけど、今はコレからの会社の為にするわ」


酒を飲んだ頭は理解力が低下してて理解するのに時間がかかった。



「ウッセ」


悪態付くがもう遅い。