デスクの片付けは就業時間で良いと言われ必要な物だけを持ってビルの最上階へ



行く前、七子が私の仕事を引き継ぐと言ったが課長は“永峰さんは他のを頼みたいんだ”と言って私に嫌がらせをしてた人を呼び“今日まで宜しく”と私のファイルを渡した。



「一応、俺課長って立場でさ~ちゃんと見てるから。皆の仕事っぷり」



「今までのツケだよ。いい気味」



隣にいた七子が小声で呟いた。







「はぁぁぁ」



七子に見送られ重い足取りでエレベーターに乗り最上階のボタンを押して暫くすると目の前が煌びやかな世界に変わってた。




流石大手…高そうな壺に花が生けられてる。



「あっ、曲がってる」



たしなむ程度の知識しか無いけどここおかしいと手を伸ばしたら




「君!」



身体が跳ね上がった。




「あ……「それには…鞍橋美玲さん?」




いかにも仕事が出来そうなインテリがこっちに
歩いてきた。



「……!!」



「鞍橋美玲さんで良いんですよね?」




「あっ!はい。鞍橋美玲です」



いきなりだったから



「朝はよく寝れましたか?副社長の第一秘書をさせて頂いてます佐原太一と申します。今日付けで鞍橋さんは僕のサポートと副社長の身の回りのお世話をお願いします」
  


朝???副社長の身の回りの世話?



「給料は今の倍出すそうです…本当に鞍橋美玲さんで?」




「はぁ…社員証と違う顔してますか?」


差し出す。




佐原さんは首を傾げ副社長室と書かれたプレートの扉を開け入れと促す。



「出勤は副社長の自宅マンションに出社時刻に間に合う時間に起こしに来て下さい。会社までは運転手が居ますので支度が出来る少し前に連絡を」



「あ…あのぉ?」



「はい?」



「何で私なんですか?」


「覚えてないんですか」




「何を?」



「……。はぁあ。まぁいいか。副社長は日本に慣れてないから多少の事には驚かないで下さい」



何なんだ?



「わからなかったら聞いて下さい。そろそろ到着される時間なんでお出迎えしに行きますよ」



…?



???