~一寿~



日本屈指のIT企業のTOP




昔からの英才教育




毎日毎日





親に従うだけの人生







もっとも、今の自分には“あの人”に逆らう事は出来ないだろう。








“オマエノタメ”







ウンザリだ。







僕は操り人形なんだ。








「一寿様、早く起きないと遅刻されてしまいます…」








生きてる事はつまらなくて生温いお湯に浸かっているみたいだ。










上っ面だけの人間に肩書きの関係。






あの人の会社を狙ってる企業はイッパイ有る。






毎日がつまらなく時間が経つのが遅い。



「一寿、来月からニューヨーク支店に行ってくれ」



ニューヨークって倒産寸前の支店だろ?



「お前の力量が発揮される時だな…立て直してみろ」



無理難題を押し付けた社長…基、僕の親父



これが若干19歳の若造に賭けられたら試練




少ない予算に人員削減は免れない、でも立て直すには新製品の開発をしなきゃ…あっ僕は大学もあんじゃね~か。




「一寿、私もニューヨーク行って良い?」


当時付き合いがあった年上の彼女


それって養わなくちゃいけないって事か?お前を?


倒産寸前で寝る間も惜しまなきゃいけない僕は大学もあるし…。


「遊びに来るのは構わないけど、一緒は……無理」


「別れない?」


「付き合ってはないだろ?」


「浮気しない?」


「してる暇ない」


「なら会いに行く」


たまたま行った合コンで知り合ったモデルをしてる彼女


僕は性欲処理をしてくれれば誰だってよくて、彼女を作ろうと思って行った訳じゃなかった。


彼女が告白してきたけど理由を話して断ってた。


でも、彼女は“セフレでもいいから”と……それならと承諾した。


月日が経つにつれ彼女は“彼女面”を始めてきた。


そして友達伝いに聞いた話は僕達は婚約まで決まったなんて事に。


「知り合いが僕達は婚約したと聞いたそうだが?」


彼女から気まずい雰囲気を醸し出していた。


「…って、一寿がいつまで経ってもセフレとしか見てくれないから…」


「君がソレで良いって言ったから承諾したまでだ」


“酷いよ!”彼女はそう言って出て行った。


僕には人を愛する気持ちが無いのかもしれない。


勉強や会社以外はあんまり人と接しない。