で、結局…
誘導尋問のように気付けば全てを話していた


「なーるほどね…」


話を聞き終えると腕を組んで"うーん"と唸る太朗


「確かに、聞いたことあるな。春野と山野が付き合ってるって話」


そーゆう情報大好きな太朗が言うんだから本当なんだろうな…


「でも…」

「…ん?」


そこで一拍置いて太朗が続ける


「"付き合ってる"って宣言したり、騒いでるのは山野だけなんだよね」


…?
どーゆうこと?


「春野とか、その周辺のお友達とかからはそんな話聞かないんだよね」


それって…
山野が一人で付き合ってるつもりでいるってこと?

そんなことってあるの?


「一回さ、話してみたら?春野とさ直接。待ってるんだろ?"いつもの場所"で」


"諦めるのはその後にしなよ"
そう言いながら最後に肩を軽く叩かれる

…ありがと、太朗
少し話して勇気でたかも


「行ってくる」

「いってらっさーい」


ピラピラ手を振る太朗に見送られ、久々に準備室へと向かった