パチッと目を覚ませた。 気を失う前の、焦りにせかされて、身を跳ね起きさせる。 「痛っ」 半身を起こしたまま、自分の両腕で自分を抱え込むように、くの字になる。 「大丈夫?まだ、寝てなきゃ」 あ。 この声。 あたしは、引きずられるように、そっちを見た。 マヤだ。 見つけた、マヤ。 嬉しさと、安心感で、涙が出そうになる。 「でも良かった。君、湖に落ちたんだよ。覚えてる?」 あたしは首を横に振る。