あのホルマリン漬けのビンをもらった当初は、この部屋が理科室に思えて懐かしかったよ・・・
今では慣れちゃったけどね。

「加奈子さん。」
「何?」
ほんのり日に焼けた顔で、照れ臭そうに万里が笑う。
パプアニューギニアから帰ってきた時より、日焼けはずいぶんおさまったなぁ。
もともと肌が白いから、日焼けすると雰囲気変わるんだよね。


「こうやって2人の思い出が、増えていくんですね。」


どきっ。
胸が高鳴る。
どうしてこう、さらっとクサいこと言うかな。
顔が熱くて、まともに万里を見れないよ。