その声は凄く小さく微かだったのにも関わらず、俺の耳にしっかりと届いた。


距離で言うと、教室の端から端なのにだ。


その距離にも関わらず、岡本の声はとても澄んでいて聞き取りやすかった。


緊張からか、噛んではいたが。



そして、その声はあの時の少女と余りにもよく似ていた。


同一人物かとも一瞬、思ったが違う。



黒髪なのは同じだが、あの屋上に居た少女は下ろしていた。


岡本は二つに結っている。


それに、メガネもかけていなかったが、彼女はかけている。



どこか、似ているようにも見えるが違う人物。