屋上から出ようと扉に手を掛ける。


流石に寒くなってきた。


そういえばこんな寒い中、歌っていたあの子の声は全然震えてなかったな。



「じゃあ、これからはあの子を捜せば良いんだよね?」



俺の後を望が追いかける。



「ああ、そうだな。見つけない事には何も始まらない」


「よっしゃあ!なら、俺が一番に見つけてやるよ!」



俺と望を押し抜け前へ飛び出る拓弥。


そして、人差し指を突き上げた。



こうして、綺麗な歌声を持つ彼女を捜す事により、解散の危機は辛うじて免れたのだった。



しかし、彼女が見つかるのはもう少し先になるのだった。