「何、すんだよ!宏紀!」
プカプカとプールに浮かんでいるビーチボール。
微かにりんちゃんの顔というか鼻が赤いのはそれが当たったからなのだろうか。
ビュンっとりんちゃん目掛けて何かが飛ぶ。
それは二個目のビーチボールで。
顔に影を作り笑みを浮かべたヒーローが投げたものだ。
「黒…っ」
誰かが呟いた。
手にはどこから出したのかいくつものビーチボール。
それらが何度も飛び交う。
そんな夏の思い出が私の心に刻み込まれたのだった。
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