「それで構わないから、書いてくれるか?」


「…わ、分かりました。頑張ってみます。あの、柳沢君よろしくお願いします」



かなでは篤の方に向き直り、そして頭を下げた。


顔を上げた彼女に向けて篤は笑顔を浮かべる。



「こちらこそ」



ここまで丁寧に言われるとは思っていなかったのか、照れ臭そうに頭をかいて。


その様子を見ていた拓弥と望もほっとしたようだ。


やっぱり、不安だったのだろう。


本当は歌詞を書くのは必ずしもかなででいけない訳ではなかった。


だが、やはりボーカルの彼女が書いた方が一番心が乗せやすいだろうから。


歌う時に心を乗せて、気持ちよく歌って欲しい。



まあ、これでかなでが歌詞を書いてくれる事は決まった。


はかなでが詞を完成させるのを待つのみだ。


そして、それが出来てから俺が音をつける。