「じゃあ、どうするんだよ。マジで」
俺たちの真摯な表情に拓弥は諦めたのか、真剣にこれからの事を考え始めた。
望も椅子に座り、悩んでいる様子だ。
「このまま、解散…するしかないのかな…」
「はぁ!?そんなことする訳にいかないだろ!篤だって、抜けたくて抜けた訳じゃないのに!…っくそ」
ポツリと呟いた望の言葉がやけに耳に響いた。
拓弥の言う通り、解散はしたくない。してはいけない。
いつか篤が戻ってくるためにも。
それは、あいつも分かってるじゃないか。
どうするか、な…
演奏だけで声が乗らないバンドなんて、誰も聞いてくれない。
その時…


