ねえねえ、と拓弥が囃し立てる。 ニヤッと望が不気味な笑みを浮かべたかと思うと、岡本に何かを耳打ちした。 「良いんですか?」 「いいの!いいの!どうせ、拓弥だし」 そんな会話が微かに聞こえてきた。 そんな彼女たちの前で、今か今かと拓弥は待ち受けている。 「あの…じゃあ、りんちゃん?」 「…………へ?」 ぶっ…! 豪快に息を吹き出す音が聞こえたかと思うと、続いて笑い声が音楽室を反響した。