HELIOLITEー君と輝く音ー




「みや…じゃ、ない。望ちゃん!」


「…っ!かなで…?」


「って、呼んでも良いですか?」



上目遣いで言う岡本に望が満面の笑みを浮かべる。


なかなかに身長差のある二人だったのかと、今改めて理解する。



「うん、うん!全然!どうせなら呼び捨てがいいけどそれでも全然いいよ!」


「なあなあ、オレは?」



心底嬉しいのか、望はずっと笑顔だ。


それも、花が飛び出しそうな勢い。


最初、苗字を言おうとした事には望は気付いていないからぶり返す事はしないようにしよう。



まるで、花畑にでも居るかのように二人の空気は浮ついている。


岡本も岡本で望との間にあった壁がなくなった事が嬉しいのだろう。


その壁は自分で作っていたものだろうが、キッカケがないと壊せないのは分かる。


それは、俺も同じだから。


そんな二人の間に口を挟んだのは当然俺ではない。


拓弥だ。



望に睨まれたのは言うまでもない。


だが、そんな事を気にする拓弥でもなかった。