恐る恐る、彼らの元へと歩みを進める。 ゆっくりと、でも一歩を確実に距離が縮まっていく。 「おかもっちゃ…」 「シッ!」 視界の端で武内さんが鈴木くんを叩いているのが見えた。 そんな事を気にしない彼は私を見ている。 「どうだった、俺たちの音は」 速水くんが私に問いかけてきた。 その後ろでは宮田さんが鈴木くんの首を取っている。 身動きが一切取れないようで、涙目で離すように訴えている鈴木くんだが、一向に離して貰えない。 ジッと速水くんの瞳が私を捉える。